HamScan HTML Document

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Current Release: version1.01 (Mar 7, 1998)

HamScanは、ハムスターなどの小動物の回し車の回転数をあなたのPCで手軽に計測するためのフリーウエアです。セットアップ方法や使用方法などは全てこのオンラインマニュアルに書かれていますので、よくお読みになった上で正しくお使いください。
ソフトのダウンロードは上記URLから出来ます。
なお、HamScanの使用およびこのマニュアルを基にしたマウス・回し車の改造によって生じたいかなる損害に対しても、HamScanおよびこのマニュアルの作者は責任を負いません。予めご了承ください。

Index

HamScanの概要
動作環境および必要な器材
HamScanのインストール
回し車の改造
マウスの改造
HamScanの使い方
HamScanのアンインストール
バージョン情報
再配布について
その他

HamScanの概要

このページを読んでいる方の多くはハムスターを飼っているのではないかと思うのですが、皆さんの家のハム君たちは回し車を回してますか?恐らく世の中のハム君たちは、

  1. 明るい部屋でも人前で平気で回し車を回す
  2. 人前では回さないけど、人がいないと回す
  3. 暗闇じゃないと回さない
  4. 全然回さない
のように分類されると思うのですが、皆さんのハム君はどうでしょう? うちにはハムが2匹いるのですが、飼いはじめてから半年過ぎても回し車を回してる姿をほとんど見たことがなかったんです。当然、うちのは2匹とも(4)のタイプだと思い込み、「ちぇっ」って感じでした。かなり期待してただけにちょいと残念でした。
そんな中、ハムスターMLの
岡屋さんのホームページで、万歩計を使った回し車の回転数カウンターの作成方法を見つけたんです。
 実は以前から、これまた同じくハムスターMLの 北川さんのホームページで「回し車の謎」と題して、ハム君がいつどれくらい回し車を回しているのかをオンラインで24時間モニターした結果が載ってるのを見て、

「こんなのやってみたいなー」

って思ってたんです。でも、とてもじゃないけど北川さんのようにRS232Cのデバイスなんて作れないからほとんどあきらめモードでした。ところが、岡屋さんの万歩計方式が出現したおかげで、ハードど素人の僕でもカウンターが作れそうじゃないか!

「うちのハムスターズはどうせ回さないけど、面白そうだな」

と言う訳で、岡屋さん考案の「万歩計を利用した測定器」を作ってみました。
で、その夜さっそく、ちぃ坊の方にカウンターを付けた回し車をセットしてみました。そして朝になってカウンターを見てみたら・・・なんと2000回転っ! 何かの間違いかもしれないと思ったのですが、その日の夜仕事から帰ってみたら今度は10000回転近くの値を示してました。今まで全然回してないと思ってただけに、メチャメチャうれしかったです。で、今度はチョビで試してみたのですが、やはり結果は同じ。2匹とも実は僕の知らないところでブン回してたんです(笑)。
こうなると、一体何時ごろどれくらい回しているのか知りたくなるのが人情ってもの。だけど、ソフトは作れても北川さんのようにデバイスまでは作れない・・・。何とかスイッチのON・OFFを簡単にパソコンに取り込む方法は無いだろうか? と、ひたすら考えているうちに、

「そうか、マウスのクリックを使えば簡単だっ!」

と思い付いたんです。つまり、回し車が1回転するたびにマウスのクリックをしているように見せかけて、それをソフトウエアで拾ってあげれば、回転数と速度まで取り込めてしまうという訳です。こうして出来たのがこの「HamScan」なのです。

では、HamScanの実際の画面を見てみましょう。
と、こんな感じになっています。グラフの赤い部分が回し車の時間別の回転数を示してます。目ざとい人はうちのハムスターが昼間に行動している事に気が付くかもしれませんが気にしないで下さいね。
以下にHamScanの特徴を挙げておきましょう。

動作環境と必要な器材

HamScan.exeを動かすために必要な環境
HamScan接続装置の制作に必要な器材
リードスイッチは秋葉原のパーツショップなどで入手できますが、万歩計に付いているものを流用しても構いません。むしろその方が磁石といっしょに入手できるのでお手軽です。ディスカウントショップなどでは、500円前後で売られている事もよくあります。私も万歩計からはずして使いました(ただし、半田ごてをうまく使ってはずさないとならないので注意が必要です)。少々大きめのを選べば、取り出しが比較的楽になります。
どうしてもリードスイッチと磁石が手に入らない人は、キッチン用のアルミホイルと銅線だけでも何とかなります(後述)。


HamScanソフトウエアのインストール

HamScan101.exeをダウンロードした後、適当な場所にコピーし、ダブルクリックして実行してください。ファイルが自動的に解凍され、続けてインストール作業が行われます。質問に全部[OK]で答えていけば、インストールは完了です。
インストールが終わったら、ダウンロードしたHamScan101.exeは削除してしまっても構いません。

では、デスクトップにあるHamScanのショートカットを実行してみてください。一番最初に起動した時だけ、回し車のサイズを聞いてきますのであなたの回し車のサイズをcm(小数点使用可能)で入力してください。なお、サイズの変更は後からでも自由に行えます。

次にの部分を1回クリックしてみてください。表示がに変わりましたね。この状態でこのONと描かれたこの青いパネルの上で右クリックをしてみてください。カウンターの値が0から1に変わりましたね。続けて何度も右クリックを行うと、その数だけカウンターがアップしていきます。つまり、回し車に取り付けたスイッチの配線をマウスの右ボタンに接続する事によって擬似的に右クリックを起こしてやれば、回転数のカウントが行われるという訳です。単純でしょ?

このパネルの上でもう一度左クリックを行うと、STANBYモードに入ります。


回し車の改造

さて、HamScanのインストールが終わったら、今度は回し車にスイッチを取り付けてマウスと接続しなくてはなりません。
とりあえず、出来上がりを見て頂きましょう。こんな感じです(<写真1><写真2>)。


<写真1>PCに接続した所

<写真2>各パーツ

私の場合、万歩計とPCを手軽に切り替えて使えるように、回し車とマウス、または万歩計の接続にはプラグを用いています。そんなものは手に入らないよと言う人はもちろんダイレクトにつないでもらっても構いません。

 それではまず、回し車の改造方法について説明します。が、はっきり言って、このページよりも
岡屋さんのページの方が分かりやすく、かつ丁寧に説明されてますので、そちらを参考にした方がよろしいかと (^^;
 ただし、注意点があります。磁石とリードスイッチは出来るだけ回し車の回転軸の近くに取り付けて下さい。

 私は最初、リードスイッチと磁石を回し車のかなり外側に取り付けていました。カウンターとして万歩計を使っていた時は何の問題もなかったのですが、磁石の位置を変更せずに改造マウスと接続したところ、磁石の通過が余りに速すぎて、クリックとして認めてもらえませんでした。これはまあ、皆さんのマシン環境によって変わってくるとは思うのですが、とりあえず回転軸に近いところに磁石を取り付けた方がスイッチを通過する時の速度がゆっくりになるので、出来るだけ軸の近くに取り付けましょう。既に取り付けてしまっている人は、とりあえずそのまま使ってみて、正しくカウントされていないようであれば、取りつけ位置を変更してみてください。なお経験的に言いますと、磁石の取り付け方にもコツがいるみたいです。うまく動かない場合はいろいろ取り付け位置を変えてみてください。それでもだめな場合は、最後の手段としてアルミ箔のスイッチを使う方法もあります(後述)。


<写真3>リードスイッチ

<写真4>支柱にリードスイッチを付けたところ
<写真3>は、リードスイッチです。このリードスイッチの両端に必要な長さのコードを取り付けて下さい(要半田付け)。これを回し車の支柱に取り付けたのが<写真4>になります。 最初は下の方に穴を開けて取り付けていたのですが、上述の問題が発生したため、上に穴を開け直しました。
ちなみに、私はめんどくさがり屋なので、プラスチック部分の穴開けは半田ごてでやってしまいました(くさいぞぉ〜)


次に、回し車に磁石を取り付けます。磁石がちょうどリードスイッチの上(横?)を通過する位置に取り付けて下さい。接着剤を使っても良いのですが、後ではがすのが面倒ですし、乾くまでに時間がかかるので余りお勧めできません。私は両面テープを小さく切って付けてます(<写真3>、ちょっと見にくいですが、軸受けの右斜め上に付いています)。

<写真5>磁石を取り付ける



リードスイッチと磁石が手に入らない方は・・・

または、<写真6>のような 磁石とリードスイッチが取り付けにくい回し車を使っている方。
なにも悲観する事はありません。要は、回し車が1回転するたびに単純にスイッチがONになるような仕組みを作ってあげれば良いんです。 方法はいろいろあるとは思いますが、一番簡単そうな例を一つ挙げておきましょう。
  • まず、アルミホイルを用意し、幅5mm、長さ5cmくらいの円弧状にアルミを切り取る
  • 切り取ったアルミを回し車の適当な位置に貼り付ける。
  • 先端の皮をむいたコードを2本用意し、先ほど取り付けたアルミが回ってきた時にうまく接触する位置に2本のコードを取り付ける。この時、コードとコードの間隔は5〜10mmくらいがベスト。
これでも立派なスイッチです。ただし、ハムがコードを触ったりして位置がずれたりしないようにしなければなりません。
そして問題がもう一つ・・・。私はこの方法を試してません (^^;;;;

<写真6>特殊な回し車


マウスの改造

さて、いよいよマウスの改造です。間違って壊しても構わないように、安物のマウスを用意しましょう。ちなみに私のは900円でした。
※改造作業中、必要時以外はPC本体からマウスを外しておきましょう。

作業内容を簡単にまとめると・・・ 1番目の蓋開けはOKでしょう。機種によってさまざまだとは思いますが、ほとんどの場合すんなりと取り出せると思います(<写真7>
問題は2番目です。マウスのボタンスイッチには様々なタイプがあって、足が2本の物もあれば3本の物もあり、さらには4本の足が付いているスイッチもあります。スイッチに足が2本しかなければコードを取り付けるにあたって選択の余地は無いのですが、3本・4本と足が付いている場合には、どれが本物でどれが偽者か見極めなくてはなりません。見る人が見れば一発で分かるのですが・・・。(<写真8><写真9>


<写真7>蓋を開けたところ

<写真8>基盤表

<写真9>基盤裏

ちなみに、私の場合3本足だったのですが、<写真9>を見てもお分かりのように、3本のうち1本は、他の回路とつながっておらず、単独で半田付けされていたので、すぐにそれがダミーだと分かりました。
もしどうしても分からない場合、適当な2本をピンセットなどで強引につなげてみてクリック反応が起きるかどうか確認するという荒業もあります(あまりお勧め出来ませんけど)。
なお、くれぐれも左側のスイッチにコードを接続しないようにしてくださいね。

 すべての作業が終わったら、早速動作テストをしてみましょう。改造マウスをPCに接続して、電源を入れます(マウスの取り付け・取り外しはPCの電源を切ってから行った方がいいですよ)
 Windowsが起動したら、HamScan.exeを実行し、STANBYパネルをクリックして計測モードに入ってください。そして、マウスカーソルは青いONパネルの上に置いておいてください。
 この状態で、手で回し車を回してみて下さい。カウンターが動きましたか? もし動いたのであれば、ハム君が実際に走るよりもちょっと早めに回してみて、回転の取り込みミスが無いかどうか確認してください。もし取り込みミスがあるようなら、磁石の位置を変更するなどしてきちんと動作するようにチューニングしてください。


HamScanの使い方


HamScan.exeを起動すると、上のような画面が現れます。インストールして初めて起動する場合には回し車の設定のダイアログが出てきますので、回し車の内径のサイズを入力して「OK」ボタンを押してください。

まずは画面の説明から・・・とは言うものの、ほとんど説明の余地は無いと思うので、画面の各パーツを簡単に説明します。


動作状況の切り替えパネルです。このパネル上で左クリックをするたびに、ONとSTANBYが切り替わります。パネル表示がONの時、このパネル上で右クリックすると、カウントアップします。
グラフの表示レンジ設定ボタン。
「x2」ボタンを押すと、グラフの回転数表示の最大値が2倍になる。逆に、「÷2」グラフの回転数表示の最大値が2分の1となる。
現在までのカウント値と走行距離のみクリアします。グラフや最高速度・平均速度はクリアしません。
すべての情報をクリアします。


[ファイル(F)]メニュー
カウントデータを読み込む(L)
過去に保存したカウントデータを読み込みます。この時、回し車のサイズ等の情報もロードされます。
カウントデータの保存(S)
カウントデータを保存します。この時、回し車のサイズ等の情報も保存されます。
カウントデータのエクスポート(E)
カウントデータを CSVファイル形式で保存します。この形式のファイルは、Excel等の表計算ソフトで読み込む事が出来ます。なお、何分ごとにデータをまとめるかを選択するダイアログが表示されます。
HamScanの終了(Q)
HamScanを終了します。もし、データが変更されているようであれば、データを保存するかどうかのダイアログが表示されます。

[設定(O)]メニュー
回し車の設定(W)
このメニューを選ぶと、以下のようなダイアログが表示されます。

  • 1番目の項目では回し車の内径の大きさを入力します。内径の大きさは、走行距離や速度の計算に使うので、正しく入力してください。
  • 2番目の項目はチャタリング(※)制御用です。磁石の取り付け方によってはチャタリングが発生するので、これを防ぐために通常ありえないほど速い間隔でマウスボタンが押された(つまり回し車が1回転した)場合、2番目のカウントを無視します。
  • 3番目の項目は平均時速の計算用です。もし、回し車の回転に指定秒数以上の時間がかかった場合は、その部分は平均時速の計算に使用しません。

    ※チャタリング ・・・ 一度しかスイッチを押していないのに、何度も押したかのようにパルスが生じてしまう事。機械スイッチではありがちな現象。
  • グラフの設定(G)
    このメニューを選ぶと、グラフ表示に関する設定ダイアログが表示されます。
      グラフの表示間隔
    • 何分ごとにデータをまとめて表示するかを決めます。画面の構成上、3の倍数しか選べません
      縦軸(カウント値)の最大値
    • グラフの表示範囲を変更します。


    HamScanのアンインストール

    [スタート]→[コントロールパネル]を開き、アプリケーションの追加と削除と言うアイコンをダブルクリックします。次に、アプリケーションのリストから'HamScan'を選び、[追加と削除]ボタンを押してください。これでアンインストールは完了です。
    なお、マニュアル操作でHamScanを削除する場合、WindowsレジストリにHamScanのキーが残りますので、このキーを手動で削除してください。(HKEY_CURRENT_USER\Software\TateoNagai\HamScan)


    Version情報

    Version 1.01 (Mar 7, 1998)
    インターネット初公開。



    再配布について


    HamScanはフリーソフトです。著作権は作者であるhamfaceが所有しますが、個人で用いる限り、自由に使用・配布していただいて結構です。ただし配布の際には、HPからダウンロードした圧縮パッケージをそのまま配布してください。また、営利目的での使用はこれを禁止します。


    その他

    HamScanに関してのご要望・ご質問・ご意見・ご感想を募集しております。送り先は
    こちら

    アプリケーション名HamScan
    対象OSWindows95/NT3.51以降
    種別フリーウエア
    最新バージョン1.01
    開発環境Win95+Delphi2.0j


    このパッケージを自己解凍圧縮ファイル化するにあたって、Micco 氏のLHMELT.EXE Ver 0.82を使用させていただきました。
    また、このパッケージのインストーラとして、桐井裕司氏の FreeInst V1.05を使用させて頂きました。
    この場を借りて、御礼申し上げます。

    また、本マニュアルでの引用を快く許諾してくださった北川 夏樹氏、岡屋 治氏に心から感謝申し上げます。