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ハム エッセイ

我慢の1週間(こりゃ、エッセイじゃなくて日記だね(^^;; )

1998.4.17

さて、ついにハムを手に入れてしまった。ショップからの帰り道、狭い箱に入れられたハム君は、最初は大暴れしていたものの、いつのまにか静かになっていた。
「まさか死んだんじゃ!?」

と、時折箱を持ちあげて確認してみると、微かに動いている気配がする。さすがに疲れたのかもしれない。

「早く出してやるからな」

と声を掛けながら運転する事20分。ようやく家に辿り着いた。他の住人にバレないように全てをダンボールに入れて部屋に運び込む。そして、ハム君には申し訳ないが、しばらく箱に入っていてもらって、ゲージのセットアップにかかった。
 本当はプラケースのゲージが欲しかったんだけど、そのショップには良いのが無いのでしょうがなく普通の小動物用の金網ゲージにした。ほうほう、こんな風になってるのか・・・と感心しながら、床材としてチップを敷き詰め、ゲージに付いていたプラスチックの家を2階に置き(ゲージは2階建てだった)、これもゲージに付いていた回し車を取り付けて、水飲みボトルにはミネラルウォーターを入れた。そして、トイレには固まる砂を入れて、餌箱にひまわりの種と固形飼料を適当に入れてセット完了。
時計を見ると、家についてから30分が経過していた。

「そろそろ限界だな・・・」

そう思い、ついにハム君の入った箱を開けた。・・・・・が、肝心のハムが出てこない。中を除いてみると、ただでさえ小さいハムが、脅えきってさらに小さくなっていた。飼育本には最初から手で触るのは良くないと書かれていたので、しょうがなく箱を傾けてハム君をゲージの中に静かに滑り降ろした。
すると、今までおとなしかったハム君が、いきなり走り出した

「なに!? どこ!?」

ってな感じで掘るは走るはの大騒ぎ。しかし、しばらくして2階に家らしき物があるのを発見すると、さっさと入ってなかなか出てこない。

「まぁしばらくすれば出てくるだろう」

と思って部屋を暗くして待っていたのだが、夜中の2時になっても一向に出てくる気配がない。 餌も食べてないし、水も飲んでないのに平気なんだろうか?そんな心配もしてみたが、とりあえず最初の一週間は構ったり触ったりせずに放って置いた方が良いと飼育本に書いてあったので、ひとまずは寝る事にした。


次の日の朝起きてすぐにハム君の様子を確認してみると・・・、なんと家の外には全く出ていないようだ。

「ほんとに死んでないだろうな?」

と家の中を覗き込みたくなるのを必死で押さえて会社に行った。
そして夕方帰ってきてから餌箱を見てみると、ひまわりの種だけ無くなっているではないか! よかった、生きてるらしい。でもやっぱり全然出てきてくれない。しかし、昨日とはちょっと様子が違っている。家の中でハム君が何やら「クックックック・・・」とか「プツプツプツプツ・・」と小さな声で鳴いている。何の意思表示かは知らないが、とりあえず生きてる事が分っただけでもいい。
そうだ、ハム君に名前を付けなければならない。飼う前はハム君の挙動を一通り見てからそれにふさわしい名前を付けようと思っていたのだが、こうも姿を見せてくれないんじゃしょうがない。とりあえず、チョビと呼ぶ事にした(結局そのままチョビになるのだが・・・。
そしてその日もチョビの姿を見れないまま眠りについた。


3日目。何やら聞きなれない音で目を覚ました。まさかっ、と思ってゲージを見てみると、チョビが水飲みボトルから水を飲んでいたのだ。よかった、ちゃんと分かってくれたんだ。しかし、水を飲み終わると、速攻で家に帰ってしまった。餌箱を見てみると、やはり食べたのはひまわりの種だけ。餌が大きすぎるのかも知れないな、と言う事で、もうちょっと小さく砕いてあげてみる事にした。

さて、会社から帰ってくると、嬉しい事に初めてチョビが出迎えてくれた。が、しばらくするとすぐに家にこもってしまった。まだまだだなぁ。そして餌箱に目をやると・・・食べてる!! 初めてチョビが固形飼料を口にしたのだ。やはり大きすぎたのかもしれない。まだまだ子供だし。
そしてもうひとつ嬉しい物を発見した。トイレにおしっこ玉が出来ていたのである。そしてこの日もトイレの掃除をしただけでコミュニケーションは自粛。


4日目の朝、ゲージの中が大変な事になっている。床材は目茶苦茶、トイレはひっくり返っている。餌箱は床材のどこかに埋もれてしまっている。ゲージが気に入らないのか、それとも慣れてきた証拠なのか? とりあえずあまり刺激はしたくないのでそのまま出勤。
夜、帰ってくると、チョビは居ない。だが、餌をあげようと袋をガサガサさせたらチョビが家から出てきた。どうやら、音に反応したらしい。このチャンスにひまわりの種をゲージ越しにあげてみる。チョビはちょっとオッカナビックリだったけど、僕の手から受け取ってくれた。感動である。3つ目まではそのまま頬袋に入れてしまったが、4つ目はその場で皮をむいて食べだした。かわええ。
この調子なら早く慣れてくれるかも。


5日目。またも手渡しでひま種を食べた。でもまだちょっと怖がってる。しかも食べたらすぐに家に帰っちゃうし。相変わらず、回し車には全く興味を示さない。取り付けてある位置が悪いんだろうか? 配置替えをしたくなるが、とりあえず自粛。慣れて頂くのが先決だ。今日もトイレにおしっこ玉が出来ていた。いい傾向である。今日初めてチョビが毛繕いをしているのを見た。またもや感動。特に顔を洗うようなしぐさが可愛い。しかし、あの足の動きは凄い。

6日目。土曜日なので、初めて昼もチョビと過ごす。2時間に1度くらいは家の外に出るようだが、水を飲んでトイレで毛繕いを一通り行うと、さっさと家に帰ってしまう。夕方になってチョビがゲージにへばりついてきた。餌が欲しいのだろうか? と思い、とりあえずひま種を5粒ほどあげてみる。大分慣れてきたかな? 明日はいよいよ7日目。早く手にとってみたい衝動にかられるが、明日まで我慢。


7日目。いよいよチョビを外に出してみる事にした。ゲージの入り口を開けてみるが、チョビは一向に出てくる気配無し。気にはなってるみたいだけど・・・。しょうがないので、ひま種で誘惑して手のひらに誘い込んでみた。

[ち、小さい・・・。こんなもんしかないんだ・・・」

と、その軽さに少々驚く。でも、温かくてふわふわしてて気持ち良い。指でちょっとなでてみたけど、チョビはちょっと恐かったみたいで、耳を小さくたたんでいた。ちょっとゲージの掃除をしたかったので、そのままチョビを部屋に放してみる事にした。すると、ものすごい勢いで部屋の中を駆け巡り始めたではないか! でもしばらくすると、落ち着く場所を捜し当てたみたいで、ずっとそこから出てこようとしなかった。それはつまらん。
とりあえず散歩初日はこんなもんだろうと思い、10分程度でゲージの中に戻した。
そして、チョビのいた場所を見てみると、そこにはひま種の殻と糞が4粒程落ちていた。

・・・・・・・・
そんなこんなで長かった最初の1週間が過ぎた。触りたくて触りたくてしょうがなかったけど、後々の事を考えて我慢してきたのだ。人間不信になんてなられた日にはどうしようも無いもんね。

こうして、当時はおとなしくて家にこもりっぱなしだったチョビも、1年近く経った今ではすっかり慣れたようで、回し車も(夜だけ)回してるみたいだし、餌もねだるし、呼んだら偶には出てきてくれるようにまでなった。でもやっぱり基本的におとなしいかな、彼は。恥ずかしがりやさんなのかもしれない。

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